16歳の柴犬サクラが教えてくれた
施術に伺っているところに、柴犬サクラ (仮名) 16歳でメス、耳は遠くなり、目はぼやけて見えているようで、おばあちゃんの柴犬がいます。広い庭で土の上に小屋があり、この夏は小屋のしたに穴を掘り、そこで生活をしています。いつも行くと、一匹でたたずみ、何か上を見ながら、人生…いや犬生を想っているような、哲学的なものを感じます。
このおばあちゃんが、こないだの迷走台風の時に調子が悪くなり、クルクル回り、すごい汗をかいて横にもなれず、回っては止まりを繰り返していました。もうご苦労様、よく頑張りました、と思いその日は帰りました。
その後、定期的に伺っているところなので、ちょっと悲しい気持ちで再訪しました。何と! 四本足でスッと立ち、上の方を見ている様なしぐさで立っていました。汗もかいておらず、普通の様子でした。おかみさんに聞いたところ、その晩からやっと横になれ、2日間寝っぱなしで、人が呼んでも起きず、食事も取らずに寝ていたそうです。そして三日目の朝、立ち上がっていてびっくりしたそうです。
自分の調子は自分で治す。動物 (人間も)は本来その能力を持っています。サクラおばあちゃんはそれを見事に示してくれました。人間も体調が悪い時には、無理をせず休むことが大切です。食事も無理に取らなくても、お腹が空いた時に自然と取るようになります。サクラおばあちゃんは、まさにその姿を私たちに教えてくれました。これからも彼女には、もう少しゆっくりと過ごしてほしいと思います。