気候変動と漢方~肝臓・心臓への影響と対策~

今年の傾向かもしれませんが、漢方理論で春は肝臓が働きだし一年の始まりになります。1月から気候変動で寒い日が少なく、2月の冬の終わりと春の始まりがはっきりしなくなりました。脈上では立春を境にして初春の柔らかい脈からスタートしたのですが、気候が暖かくなったり寒くなったりして、気圧の変動も激しく、肝臓の働きが良い状態になるのに時間がかかっています。

今年はこの時期に足をつる方が多くいらっしゃいます。漢方理論では、筋肉は肝臓に属しているため、足がつるのは肝臓の疲れとみなされます。そして、免疫学の先生は、つることによって血液がそこに流れるようになり、疲れを取るためになるのだと言われました。この時期に足がつるのは、まだ肝臓が安定していないからです。

5月の立夏には木(肝臓)から火(心臓)にうまく切り替えができず、肝臓の脈はまだ強く働いています。本来ならゆったりとしているのですが、もう少し時間がかかるようです。よって、火(心臓)の脈が落ち着きません。いつもより暑さが早く来ているため、より負担がかかります。胸苦しさや重だるさ、息苦しさといった症状として現れます。

肝臓は背中の真ん中、心臓はそれより上にありますので、ご自分でできることは深呼吸することです。酸素が入り、血液の循環が良くなり、胸が開くことでより呼吸がしやすくなります。また、気候の変動によって循環が悪くなっているため、身体の芯が冷えています。身体を暖めること、動かすこと、お風呂に入り汗をかくことが大事です。夏は暑いのが当たり前ですが、(暑すぎるのは困りますが)汗をかくことが自律神経のコントロールには必要です。