東洋医学について②

鍼灸の始まりは中国です。

湯液では鉱物をすりつぶして粉にして飲み薬としていたのはチベット医学がスタートですが、チベットから中国に伝わり、中国独自の感性で植物から抽出した成分と合わせて湯液として使われました。

鍼は中国の南の方で暑い所で金属のつめたさを利用して体を冷していました。それから鍼を刺して熱をとる治療が始まりました。

灸は元々は北の方で寒い地域で石を温めて懐に入れて暖をとっていた時から簡単に火を着けて暖をとったり、痛みがあるところに着けて痛みを緩和するようになりました。

これらをより医療として使う為に理論だてされ漢方理論が出来ました。基本は経路 (ツボの流れ )があり、気と言う独特のエネルギー流れがあります。各内臓にはそこに繋がる経路があり、そのツボを治療することで体が健康になります。

漢方理論のスタートは3000年前からで、熟成された理論は五行理論、陰陽論など現代においも治療をする基本となっています。日本にはこの完成された漢方理論が入りました。その為、湯液は高貴な方々しか使えず、徳川吉宗の時代まで庶民には、中々手に入れることが出来ませんでした。

中国からの漢方医療、そして韓国からの韓方医療が日本では取り入れられました。それにより日本で独特な繊細な医療が出来上がりました。鍼は筒(鉄管)を使い、より細い鍼を使った施術が可能になり、お灸も荒い繊維を取り除いたやわらかい暖かい熱を加える事ができ、湯液も強い漢方薬とやわらかい刺激の漢方薬が可能になりました。これらの治療方法は明治時代前まで続き、それ以降は西洋医学が中心になり東洋医学はどんどん下火となり民間療法として残りました。しかし現代では現代医学にはない、気と言うエネルギーの流れで人の体を健康にする東洋医学が見直されて来ています。
人の体を優しく見守る医療として今後も続いて行きます。